「葉月会」は、伝統歌舞伎保存会の主催で、昭和57年(1982年)に第一回を開催してから17年間にわたり、若手歌舞伎俳優と演奏家、狂言作者の研修発表会として、毎年八月に国立劇場で開催されました。
ふつう、勉強会というものはお稽古そのものが主目的なので、発表会が無事に終われば、あとに記録を残すことはあまりないようです。
しかし「葉月会」は、いまの歌舞伎興行ではなかなか見ることのできない演目を復活するなど、研修発表会の枠におさまりきらない異色の会として、知る人ぞ知る存在でした。
その評価は後世に委ねるとしても、とりあえず信頼できる記録を残しておくことが必要だと思われます。その特異な活動を理解していただく上で、多少の補足が必要と思われましたので、この会の中心であった中村歌江丈、当時の伝統歌舞伎保存会事務局長だった成島和男氏、脚本や演出に情熱をそそがれた持田諒氏の三人の座談会を併載しました。
この「葉月会の記録」を公開するにあたり、温かい文章をお寄せくださり、劇評の掲載をご承諾くださった渡辺保様、劇評の掲載をご許可くださいました朝日新聞社と新潮社、写真掲載にご協力くださいました演劇出版社、物心両面でご支援いただいた日本芸術文化振興会(国立劇場)と文化庁、そのほか多くの関係各位に、この場を借りて感謝申し上げます。
「葉月会のアルバム」 ~公演詳細~
「越後獅子」ほか
「傾城阿波の鳴門」ほか
「生写朝顔話」ほか
「薫樹累物語」ほか
「東海道四谷怪談」ほか
「夏姿女団七」ほか
「花上野誉碑」ほか
「切られお富」ほか
「廓文庫敷島物語」ほか
「處女評判善悪鏡
-白浪五人女」ほか
「染分千鳥江戸褄
-傾城重の井」ほか
「戀闇鵜飼燎」ほか
「御伽草紙百物語
-妲妃のお百」ほか
「月梅薫朧夜
-花井お梅」ほか
「高橋お傳」ほか
「新累女千種花嫁」ほか
「美少年於夏聞書」ほか
この記録をご覧になって、お気づきの点などございましたら、伝統歌舞伎保存会あてにメールかお便りをお寄せください。どうぞよろしくお願い申し上げます。