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「葉月会」誕生まで

 伝統歌舞伎保存会が昭和40年3月に発足してから、しばらくは活動も手探り状態でした。俳優の研修も、意欲はあったけれど、なかなか軌道に乗らなかったようです。

 そうした中で、活動目標のひとつに掲げていた若手による研修発表会を何とか実施しようという計画が、すこしずつ具体化されていきました。それが「葉月会」になったわけです。六代目中村歌右衛門が保存会の会長になってからです。

 当時は、歌舞伎座はじめ他の劇場も、八月には歌舞伎興行がなかった。だから俳優も演奏家も裏方も、余裕がありました。国立劇場が若手勉強会を支援する「青年歌舞伎祭」も八月だった。いま大幹部になった人たちが当時はまだ若手で、菊五郎劇団の「あすなろう会」や成田屋一門の「荒磯会」、松島屋一門の「若松会」などがあり、国立劇場養成研修修了生たちの「稚魚の会」もありました。で、「葉月会」も八月に実施しようと決まりました。

 「葉月会」の命名者は、初代事務局長の小笠原俊郎氏でした。

 公演は一日のみで二回公演。国立劇場の全面的なご協力をいただき、第一回は小劇場でしたが、第二回から大劇場になりました。

 


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