普及活動

小学生のための歌舞伎体験教室

2025年 小学生のための歌舞伎体験教室

8月18日~8月23日
体験教室 ≪講師紹介≫

歌舞伎体験教室 8月18日(月)~8月23日(土)

国立劇場が建て替え休館中のため、今年も国立オリンピック記念青少年総合センターで6日間開催した歌舞伎体験教室。初日から発表会までの体験の内容を紹介します。

7月15日(火) かつら合わせ

今年は会場の都合で、配役発表前にかつら合わせをすることになりました。児童たちは自分の役を知らないまま、東京演劇かつら株式会社で配役ごとに「鬘(かつら)あわせ」を行いました。歌舞伎の鬘はかぶる人の頭の形にあわせて銅の台金(だいがね)で土台をつくり、本物の毛髪を植え込んだ羽二重(はぶたえ)を貼って完成させます。この髪型を結い上げる作業は床山(とこやま)が担当します。子供たちは初めて羽二重をかけた自分の姿に少し照れながらも、8月から始まる体験教室への期待で胸を膨らませている様子でした。また、保護者たちも自分たちの子どもの初めての羽二重姿を見て写真をとるなど、興味深そうに見守っていました。

7月21日(月) ガイダンス

今年度も、引き続き『寿曾我対面』を取り上げることになりました。この体験教室は、本物の衣裳やかつらを身につけて歌舞伎を体験することを目的としています。今回参加する小学校四年生から六年生の参加児童と保護者に向けて、主任講師の中村又五郎が、体験教室のプログラムや曾我兄弟の仇討ちについて、課題の『寿曾我対面』の登場人物について説明しました。


8月18日(月) 開講式、衣裳と鬘(かつら)の体験、歌舞伎の演技の体験①

開講式では、まず主任講師代表の中村梅玉副会長からご挨拶があり、その後、講師の紹介が行われました。続いて、班ごとの集合写真撮影を行いました。児童たちは、自分の力で初めて着ることができた浴衣姿で緊張した面持ちを見せていました。初日のプログラムは、衣裳と鬘の体験です。床山さんが『寿曾我対面』の化粧坂少将の鬘を結い上げる様子を見学しました。その後、少将役の児童が代表として実際に、傾城の衣裳と鬘をつけてみました。

休憩後には、『寿曾我対面』のお稽古が始まりました。児童たちは配役ごとに分かれ、「本読み(セリフの稽古)」を行いました。
 

8月19日(火) 歌舞伎音楽〈竹本〉の体験、歌舞伎の演技の体験②

歌舞伎には欠かせない竹本(義太夫)の語りと太棹(三味線)の響きに触れました。竹本拓太夫さんと鶴澤伴二さんの指導のもと、舞台で大きな声を出すための義太夫の声の出し方や語りに挑戦しました。『金閣寺・楼門の場」を児童が実際に語ってみると、思ったような声が出ず苦戦している様子が見受けられましたが、拓太夫さんから声の出し方の指導を受けることで、徐々に大きな声が出せるようになりました。最後は全員大きな声で義太夫の「笑い」の部分を語りました。

『寿曾我対面』の稽古では、セリフだけでなく動きも加えたお稽古となりました。児童はセリフも覚え次第に大きな声を出せるようになっていきました。

8月20日(水) 歌舞伎音楽〈長唄・お囃子〉の体験、歌舞伎の演技の体験③

六年生は、鳥羽屋里夕さんと女流長唄の皆さんから長唄の細棹三味線のひきかたを教わりました。二人一組で交代に三味線のかまえ方、撥の持ち方などを教わり、最後には「蛍こい」という短い曲を弾けるようになりました。四年生と五年生は、別室にて田中傳次郎さんと歌舞伎囃子協会の方々から、歌舞伎で演奏される鳴物の楽器お話を聞き、実際に、太鼓や鼓の演奏体験をしました。児童たちは、時間が足りないほど熱中していました。
 
『寿曾我対面』のお稽古では、小道具を実際に使い、長袴を着用して歩く練習などを行いました。

8月21日(木) 歌舞伎の立廻りの体験、歌舞伎の演技の体験④

歌舞伎俳優の講師方々による立廻りの模範演技を見学しました。その後、講師の指導のもと、児童たちはおもちゃの刀を持ち、基本的な立廻りの動きを体験しました。立廻りは、いわゆるチャンバラごっこのように相手に刀を打ち付けるものではなく、美しく見せるために型が決まっています。斬り合いや闘の立廻りは、歌舞伎を魅力的に見せる演出の一つです。二人一組になって息を合わせて行う立廻りはかなり難しそうでしたが、最後にはみんなが型を覚えることができました。

『寿曾我対面』のお稽古では全体稽古となり、初めて自分以外の役と演技を合わせました。他の役の児童が大きな声を出していることに触発され、一生懸命声を張り上げる児童たちの姿がとてもほほえましかったです。

8月22日(金) 舞台稽古

本番と同じように、児童たちは実際にお化粧をしてもらい、本物の鬘をかぶり、歌舞伎公演で実際に使用している本物の衣裳を身につけました。暑い中、慣れない姿で出番を待つ子どもたちは緊張している様子でした。先生方は、少しでも緊張を和らげようと笑顔で励ましの言葉をかけていました。

8月23日(土) 発表会

いよいよ第一部一班の発表会の幕が開きました。どの児童も初日からは想像が出来ないほどの成長ぶりでした。舞台上では、子どもたちが自信を持って演じる姿が見られ、観客からは拍手が沸き起こりました。先生方も舞台袖から心配そうに見守っていました。

つづく修了式では、中村梅玉副会長より、熱心な講評の後、代表の工藤役の児童に修了証書が授与されました。

講師紹介


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中村梅玉
指導監修

中村萬壽
指導

中村時蔵
指導

市川荒五郎
指導、立ち廻り指導、後見

中村吉兵衛
指導、立ち廻り指導、化粧

中村蝶三郎
後見、立廻り指導

中村春江
後見、化粧

中村京由
後見、化粧

中村京純
後援、立廻り指導

中村好蝶
後見、立廻り指導

市川新次
後見、立廻り指導

大谷桂太郎
後見、立廻り指導

尾上音蔵
後見、立廻り指導

坂東彌紋
後見、立廻り指導

坂東彌光
後見、立廻り指導

坂東家之助
後見、立廻り指導

中村 梅大
後見、立廻り指導