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第六回(昭和62年8月7日、12時半・17時開演)

プログラム表紙

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「夕立」


「鷺娘」


「夏姿女団七」


「夏姿女団七」

 

「浅妻舟」 長唄囃子連中

尾上菊之丞=指導

白拍子浅香=尾上梅之助

 

「夕立」 清元連中

藤間勘十郎=振付

結城七之助=中村勘之丞、遊女多喜川=加賀屋歌江(中村歌江)、相合傘の若者=中村福次(中村梅蔵)、相合傘の町娘=市川段之

 

「鷺娘」 竹本連中

藤間勘十郎=振付

鷺娘=加賀屋歌江(中村歌江)

 

「夏姿女団七」 三幕

三世桜田治助=作
中村梅花=指導

「夏姿女団七」 三幕
序幕  柳橋草加屋の場
二幕目 両国錨床の場
大詰  浜町河岸の場

団七縞のお梶=加賀屋歌江(中村歌江)、一寸お辰=中村歌女之丞、道具屋養子清七実は玉島磯之丞=中村鴈乃助、釣舟三婦=中村勘之丞、飾間大九郎=中村駒助、森下甚内=山崎権一、花扇屋抱琴浦前名おてつ=尾上梅之助、中老六浦実はおとら婆=實川延寿、釣り舟の若い者岩松=市川猿十郎、釣り舟の若い者松六=中村福次(中村梅蔵)、釣り舟の若い者玉蔵=中村又之助、草加屋女中お杉=市川段之、吉原神楽獅子の子分吉六=澤村国次、番頭伝八=實川若之介(宮脇信治)、駕籠=市川八百稔、駕籠=市川瀧二朗、彫りものの若い者=中村吉次(中村吉五郎)、草加屋女中お芳・祭りの若い者=久保清二(中村芝のぶ)、草加屋女中お種・祭りの若い者=近藤弦(市川春猿)、吉原神楽獅子の子分和助・祭りの若い者=小島孝文(松本錦弥)、偽若党・祭りの若い者=神田和幸(市川段治郎)、偽若党・祭りの若い者=小柴俊哉(片岡たか志)、駕籠中間・祭りの若い者=三枝英彦、駕籠中間・祭りの若い者=手島和也(中村東志也)、祭りの若い者=柴山二美雄(市川升平)、祭りの若い者=鈴木俊之(市川左十次郎)、祭りの若い者=田村俊晴(市川猿四郎)、祭りの若い者=三宅貴(市川左太郎)

 

補足:第六回公演をふりかえって

『夏姿女団七』は『夏祭浪花鑑』の面白さを女で見せようという書替狂言である。

むかしの小芝居の人気狂言で、のちに三代目時蔵が好んで演じたが、それも昭和33年の上演が最後でした。それを「葉月会」が32年ぶりに復活させたことになる。

物語は、団七の女房お梶が旧主の磯之丞とその愛人琴浦を守るため、徳兵衛の女房お辰と組んで活躍するというもの。〈たんか〉のやり取りや、女だてらに腕づくの争いもあり、団七・徳兵衛も顔負けの暴れぶりである。敵役の舅義平次はお梶の継母おとらに書き替えてあり、實川延寿がたのしそうに演じた。

【成島】
「かさね」をやったころからでしょうか。ファンから名指しで「○○が見たい」というリクエストが寄せられるようになりました。中でも「三代目時蔵がやったものを」という声が多く、本作の上演を決めました。『四谷怪談』をなんとか上演できたことで自信がついたのと、このころから研修修了生の人数が増え、出演者を確保できるようになったことが〈復活上演〉を後押ししてくれたように思います。
『女団七』で強く印象に残っているのは、歌江さんの七三の引っ込みがすばらしかったことで、指導にあたってくださった梅花さんもホロリとしたくらいでした。

【歌江】
時蔵さんのなさったものですから、憧れがありました。「柄が似ている」と言われたこともあり、小芝居の面白さに惹かれていたことも影響したのでしょうか。
先々代の藤間宗家振付の『鷺娘』は、よく知られた長唄ではなく、義太夫です。振りもまったく違います。15分ほどの短い踊りですが引き抜きもありました。それまで宗家は、お弟子さんといえども、この義太夫の『鷺娘』を踊ることはなかなか許さなかったのだそうですが、私に特別に奨めて下さって、踊らせていただきました。

 


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