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平成24年版 歌舞伎に携わる演奏家名鑑

「平成24年版 歌舞伎に携わる演奏家名鑑」

本書は、伝統歌舞伎保存会が事業の一環として行った調査の報告書として、若干部数を制作して関係方面に頒布したものです。大変ご好評いただいたため、頒布を希望される方のご要望に応えるべく、実費で頒布することにしました。残部数が少ないので売り切れの節はご容赦ください。一般書店での販売はいたしません。

※平成22年発行の『歌舞伎音楽演奏家名鑑』は、歌舞伎の舞台に出演している主立った演奏家、および戦後歌舞伎の舞台で活躍して亡くなられた演奏家の名鑑で、調査対象も長唄・鳴物・竹本に限られていました。今回の『歌舞伎に携わる演奏家名鑑』は、現役で歌舞伎の舞台に出演している演奏家の名鑑で、長唄・鳴物・竹本に加え常磐津・清元・新内・三曲も対象としています。

編集・発行
社団法人伝統歌舞伎保存会
写真提供
松竹株式会社/二階堂健/渡辺文雄
資料提供
独立行政法人日本芸術文化振興会(国立劇場)
協力
松竹株式会社/公益社団法人日本俳優協会
発行日
平成24年11月15日
サイズ
21.2cm×15cm/272頁
頒価
5,000円(税込・送料別)

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  • 竹本・長唄・鳴物の歌舞伎専従職に、興行ごとに契約する常磐津・清元・新内・三曲を加えた総勢347名を網羅
  • 長唄・鳴物に関しては外部共演者も対象とした
  • 「現在、歌舞伎で演奏している」という基準をもとに、各分野の代表者のご意見を頂戴した上で調査を行い調査した
  • 歌舞伎音楽に関する解説を「総記」として、また巻末に文献史料を掲載
  • 巻末に【芸名索引】を併載

「刊行にあたって」社団法人伝統歌舞伎保存会 会長 坂田藤十郎

 このたび伝統歌舞伎保存会は、事業の一環として、歌舞伎の音楽に携わる演奏家の調査を行い、その成果をこの報告書にまとめて、刊行する運びとなりました。

 歌舞伎に限らず日本の伝統芸能は、たいへん豊かな音楽性を持っております。能と狂言、人形浄瑠璃文楽、沖縄の組踊りなど、世界無形遺産に指定された伝統芸能は言うに及ばず、全国津々浦々に伝わっている祭礼や民俗芸能にも、必ずといっていいほど歌謡や語り物があり、太鼓や笛や三味線など、さまざまな楽器による囃子があります。

 その中でも歌舞伎は、劇場の規模も大きく、内容も様式も、義太夫狂言から世話物、江戸の荒事、上方の和事、所作事など、実に多種多彩でございます。その各々の様式に応じて、竹本、長唄、囃子、清元、常磐津など、多くのジャンルの音楽が必要とされております。そしてそれらの音楽は、各ジャンルの専門演奏家の方々によって、今日まで継承されてきました。もちろん、単に昔からの技芸を継ぐだけでなく、歌舞伎の舞台を創造する一端を担うことが大切です。たとえば、私が近松門左衛門の原作による演出を復活して上演しようとする場合、近松の時代の義太夫節や黒御簾はどのようなものだったかを、竹本の太夫や三味線の専門家、長唄や鳴物の方々と相談して、復元しなければなりません。そうしたとき、やはり頼りになるのは、昔のことをよくご存知の太夫や三味線方であり、故実に通じた附師の皆さまでございます。そうした方々と協同して、私たち俳優のセリフや動きと演奏が渾然一体となった芝居を創り上げることができて、はじめて近松が創造しようとした舞台になるわけでございます。

 いまのわが国では、残念なことに、伝統的な音楽が必ずしも一般の若者たちに親しまれているとはいいがたい現状でございます。そうした中で、歌舞伎の上演に欠かすことができない音楽の演奏家の方々が、それぞれの道で立派に芸を継承し、後継者を育てておられますことは、まことに有り難いことでございます。歌舞伎音楽の継承者の育成は容易なことではございません。文化庁と独立行政法人日本芸術文化振興会(国立劇場)のご尽力により歌舞伎音楽の演奏家の養成研修が行われておりますことは、まことに心強いことでございます。

 私たち伝統歌舞伎保存会も、その一助として、若い後継者の育成に尽力してまいる所存でございます。そのための基礎資料として本書がお役に立つことができれば、これほど嬉しいことはございません。この調査と編集、執筆にあたったスタッフと、ご協力賜りました数多くの演奏家の皆さま、そして関係各位に、心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。

平成24年11月吉日


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