歌舞伎長唄三味線演奏家・長唄杵巳流七代目家元で伝統歌舞伎保存会会員の杵屋淨貢(きねや・じょうぐ、本名:宮澤雅之=みやざわ・まさゆき)さんが、令和4年1月19日(水)、脳梗塞のため東京都内でご逝去されました。享年84歳。ご葬儀・告別式は親族で執り行われました。
【略歴】
幼少期より父六代目杵屋巳太郎に手ほどきを受ける。昭和21年十四代目杵屋六左衛門に入門。29年三代目今藤長十郎、今藤綾子に入門、三味線、唄、作曲を学ぶ。31年七代目杵屋巳太郎を襲名、長唄杵巳流の七代目家元を継ぐ。40年2月東京宝塚劇場『鬼の少将夜長話』の出囃子の三味線を勤め歌舞伎の初舞台。46年菊五郎劇団音楽部に入部。平成元年音楽部部長就任。24年12月杵屋淨貢と改名。27年11月音楽部顧問就任。
平成5年度芸術祭優秀賞。11年伝統文化ポーラ賞。19年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。20年度日本芸術院賞。21年旭日小綬章。
俳優の呼吸を汲んでの演奏で歌舞伎の舞台を盛り上げ、大薩摩の演奏における格調ある撥さばきは観客を魅了した。永年に亘り、部長として菊五郎劇団音楽部を牽引し、歌舞伎長唄の後進育成にも努め、演奏だけでなく多くの作曲も手掛けた。
謹んでご冥福をお祈りいたします。