伝統歌舞伎保存会

平成20年 小学生のための歌舞伎体験教室

7月6日 鑑賞教室+バックステージ・ツアー
7月12日 ガイダンス/鬘(かつら)あわせ
8月6日 ワークショップ
8月8日~14日 体験教室
≪講師紹介≫

 

歌舞伎鑑賞教室+バックステージツアー 7月6日(日)
会 場 国立劇場大劇場

 

舞台上で見ると、さらに迫力が増す大道具の背景
 解説『歌舞伎のみかた』と『義経千本桜』を観劇しました。
 この日の参加者は児童と保護者合わせておよそ500名。終演後、児童の皆さんは舞台に上がり、国立劇場舞台技術部のスタッフによる舞台機構の説明を聞きました。その後、照明や音響効果、セリの上下や廻り舞台などを実際に体験。最後には『義経千本桜』に出演の中村歌昇さん、市川高麗蔵さん、中村種太郎さんによるご挨拶も行われました。

 

【バックステージツアーの様子を写真でご紹介しましょう】
花道を通ってステージに上がります 夜空に浮かぶ月を照明で再現。一日の光の移り変わりを表現する照明の技術を体験しました

 

国立劇場舞台技術部のスタッフが、音響効果について解りやすく説明しました 赤貝の貝殻を擦り合わせて、カエルの鳴き声を出してみます

 

“セリ”を上げて、舞台機構を間近で紹介 廻り舞台に乗って動きを体験しました

 

雪籠(ゆきかご)を揺すって、紙の雪を降らせてみました。きれいに降らせるには技術が必要です 最後に、歌昇さん(左)、高麗蔵さん(中央)、種太郎さん(右)からご挨拶

 

 

ガイダンス/鬘(かつら)あわせ 7月12日(土)
会 場 国立劇場 伝統芸能情報館、東京鴨治床山株式会社

 

 体験教室カリキュラムの説明、体験する演目の解説、配役発表。
 まず、全員でガイダンス。歌昇さんが昨年の体験教室の様子や、『寿曾我対面』について説明しました。発表会の舞台の様子が画面に映ると、美しい衣裳に子供たちの目も輝きます。
 そのあと、部屋ごとに分かれて、浴衣の着付、立居振舞のお稽古を行いました。立居振舞の稽古では、浴衣を着て立ったり座ったり、扇子の扱いを習ったりと、かわいい姿でこれからはじまる教室に向けて、皆一生懸命でした。

 

【ガイダンスの様子を写真でご紹介しましょう】
参加する生徒は80名。会場も一杯です 帯の結び方を熱心に聞きます

 

 

お母さんに手伝ってもらいながら、着付けにチャレンジ 開講式までに自分で浴衣が着られるように、
何度も帯を結んでみます

 

 

扇子を前においてのご挨拶でお稽古が始まります 立居振舞のお稽古。

 

 

【鬘(かつら)あわせの様子を写真でご紹介しましょう】
 ガイダンスの後、『寿曾我対面』の発表会に向けて、配役ごとに〈鬘あわせ〉を行いました。歌舞伎の鬘は、一人一人の頭の形にあわせて銅の台金(だいがね)で土台をつくり、毛髪を植え込んだ羽二重(はぶたえ)をそれに貼ってつくります。髪型を結い上げるのは床山(とこやま)さんの仕事です。子供たちは、鬘師、床山の方々の細やかな手仕事に見とれながら、歌舞伎がたくさんのスタッフの力で作られていることを実感した様子でした。

 

歌舞伎ワークショップ 8月6日(水)
会 場 江戸東京博物館ホール
出演 市川團蔵、中村歌昇、中村芝雀、中村時蔵、他
長唄:鳥羽屋里長社中
鳴物:歌舞伎囃子協会
つけ打ち 丹崎健一

 

【ワークショップの様子を写真でご紹介しましょう】

 「平成20年度 小学生のための歌舞伎体験教室・歌舞伎ワークショップ」が、開催されました。今年は、中村歌昇さん、中村芝雀さん、中村時蔵さんによる楽しいお話と、市川團蔵さんが荒獅子男之助に扮するまでを舞台の上で披露、そして、中村梅枝さんが踊る『近江のお兼』の鑑賞という豪華な内容。小学生とその保護者が大勢参加しました。
 開演すると場内は真っ暗になり、舞台の中央に大きなガマ蛙が・・・そのガマの中から、中村歌昇さんが登場してワークショップが始まりました。

  

怪しげな雰囲気の舞台に、ガマが登場して開幕! 舞台に登場する馬に乗りました

 

歌昇さんの前を猪が勢いよく走り抜けていきます みんなで“見得(みえ)”に挑戦しました

 

「この音は何をあらわす音?」雨音や風音を聞きました “差金(さしがね)”の蝶や鳥を扱ってみます

 

“雨うちわ”を体験しました 團蔵さんによる隈取(くまどり)のビデオを見ました

 

舞台で立派な衣裳を着けていきます 團蔵さん扮する荒獅子男之助がネズミを捕まえます

 

時蔵さん、芝雀さんによる解説 中村梅枝さんが『近江のお兼』を実演

   

團蔵さんによる荒獅子男之助(左)、梅枝さんによる『近江のお兼』(右)。迫力のある舞台を楽しみました

 

 

 

歌舞伎体験教室 8月8日(金)~14日(木)

今年も、夏休み中の7日間にわたって行われた歌舞伎体験教室。初日は緊張気味で大人しかった子供たちも、日を重ねるごとに、浴衣の着方、声の出し方などどんどん成長していきました。
子供たちは歌舞伎にまつわる日替りプログラムを体験しながら、講師と共に稽古を重ねて、最終日の発表会ではすばらしい『寿曾我対面』の舞台をつとめあげました。各日ごとに写真をたくさん掲載した詳細ページがあります。ぜひそちらもご覧ください。

 

8日(金) 開講式、結髪(けっぱつ)の見学と衣裳の体験、歌舞伎の演技の体験
開講式では、はじめに中村梅玉担当理事の挨拶と、講師の紹介が行われました。その後、班ごとに子供たち、保護者と講師で記念撮影。初日の日替りプログラムは、女方の鬘の結髪(けっぱつ)を見学。その後大磯の虎役の児童が、傾城の鬘と衣裳を体験。衣裳を順番に持ってみて、その重さにみんな驚いた様子でした。そのあと、『寿曾我対面』の「本読み(セリフの稽古)」をそれぞれの配役に分かれて行いました。
 

 

 

9日(土) 歌舞伎音楽を体験する(その1)、歌舞伎の演技の体験

竹本(義太夫)の語りと太棹(ふとざお)三味線を聴きました。竹本泉太夫さんが紙芝居風に義太夫を解説。子供たちは、大きな笑い声を出して義太夫を体験しました。三味線は野澤松也さん。演技の体験では、役ごとにセリフと動きの稽古を行いました。

 

 

 

10日(日) 立廻りの体験、歌舞伎の演技の体験

 

立廻りの実演を見学しました。市川新十郎さんを中心とした迫力ある立廻りにみんなくぎ付け。その後、二人一組になって立廻りの体験。先生が教えてくれる型を真似て、みんなかっこよく決まりました。
 

 

 

11日(月) 歌舞伎音楽を体験する(その2)、歌舞伎の演技の体験

 

6年生は鳥羽屋里夕先生たちの指導で、長唄三味線で、『蛍(ほたる)来い』を一曲弾けるまで練習。その後『時致(ときむね)』の一部を唄いました。4・5年生は田中傳次郎先生の指導で鳴物楽器の合奏を楽しみました。
 

 

 

12日(火) 歌舞伎の演技の体験

 

この日は『寿曾我対面』の”総ざらい”。はじめて“つけ”や下座音楽、柝が入る通し稽古です。他の班の稽古中もセリフや段取りを確認しながら熱心に見学。稽古のあとは役ごとに小道具の扱いかた、裲襠(うちかけ)をつけての動きなどを入念に確認しました。
 

 

 

13日(水) 歌舞伎の扮装の実習、舞台稽古

 

化粧・衣裳・鬘すべて本番通りの舞台稽古に挑みました。化粧をしてもらい、衣裳をつけ、最後に鬘をかぶせてもらいます。楽屋も舞台も本番さながらの忙しさ。先生たちに手伝ってもらいながら小さな役者さんのできあがり。舞台でしかできない、立位置(たちいち)の確認など明日の本番に備えて入念な稽古を行いました。
 

 

 

14日(木) 発表会

 

一週間の体験の成果を披露する発表会。みなとてもすばらしい役者ぶりで、客席から大きな拍手がおくられました。舞台の合間には、松江さんによる体験教室の報告があり、スライドを使って教室の様子も紹介されました。終演後の修了式では梅玉担当理事から講評とご挨拶があり、修了証書が授与されました。
 

 

講師紹介

 

中村雀右衛門
総監修
中村梅玉
指導監修
中村時蔵
十郎の指導
市川團蔵
五郎の指導、「男之助」実演
中村歌昇
工藤の指導
中村芝雀
舞鶴の指導
市川右之助
女方の指導
中村松江
近江・八幡の指導
中村梅枝
女方の指導
嵐橘三郎
親梶原・子梶原、鬼王、大名の指導、立役の化粧
中村吉三郎
親梶原・子梶原、鬼王、大名の指導、立役の化粧
市川新十郎
親梶原・子梶原、鬼王、大名の指導、立役の化粧、立廻り指導
竹本泉太夫
竹本の指導
野澤松也
竹本の指導
鳥羽屋文五郎
長唄(唄と三味線)の指導
鳥羽屋里夕
長唄(唄と三味線)の指導
田中傳次郎
鳴物の指導
中村又之助
立役の化粧
尾上菊三呂
女方の化粧
中村京紫
女方の化粧
市川新蔵
立役の化粧
中村京三郎
女方の化粧
市川茂之助
五郎の後見、立廻り指導
尾上音之助
立廻り指導
尾上辰巳
立廻り指導
中村蝶之介
工藤の後見、立廻り指導
中村梅之
少将の後見
中村吉六
十郎の後見、立廻り指導
中村吉二郎
喜瀬川の後見
中村竹蝶
虎の後見
中村蝶三郎
大名の後見、立廻り指導
中村京珠
舞鶴の後見
中村梅秋
親梶原・子梶原の後見
中村京純
近江の後見
中村京由
八幡の後見
市川升ー
大名の後見

 


サイトに掲載された文章・情報・写真・画像等の著作権・著作隣接権・肖像権は、伝統歌舞伎保存会が管理しています。無断での複製、使用、改変は固くお断りいたします。