伝統歌舞伎保存会について

沿革

社団法人伝統歌舞伎保存会は、昭和40(1965)年3月1日、文化財保護法に基づいて設立されました。「伝統的な歌舞伎を正しく保存し、その振興を図ることを目的」としています(定款第3条)。

発足当時の会長は市川寿海(3世)、副会長は市川左團次(3世)で、理事には市川團十郎(11世)、市川中車(8世)、市村羽左衛門(17世)、尾上梅幸(7世)、片岡仁左衛門(13世)、中村歌右衛門(6世)、中村勘三郎(17世)、中村又五郎(2世)、坂東三津五郎(8世)、松本幸四郎(8世/初世白鸚)が、監事には尾上松緑(2世)、中村芝鶴(2世)、守田勘弥(14世)が就任しました。

当初(第1次)の会員は90人で、すべて俳優でした。ちなみに当時の歌舞伎俳優は約320人でした。

設立直後の昭和40年4月20日、歌舞伎は国の[重要無形文化財]に認定され、当保存会の会員は、その保持者として総合認定を受けることになりました。

伝統歌舞伎保存会の発足から間もなく、主として伝統的な歌舞伎を上演する場として、我が国最初の国立劇場が東京三宅坂に開場しました。昭和41年11月のことです。かくして、首都においては、伝統ある松竹株式会社経営の歌舞伎座と新設の国立劇場が、歌舞伎公演を担うことになりました。

昭和45年、国立劇場と当保存会の共催という形で、歌舞伎俳優の後継者養成のための研修が始まりました。

以後、昭和50年には竹本、昭和56年には歌舞伎音楽・鳴物、平成11年には長唄の新人養成が開始されました。

昭和47年度から中村歌右衛門が会長、尾上梅幸が副会長に就任し、新しい体制がスタートしました。

昭和51年には、歌舞伎音楽も[重要無形文化財 歌舞伎]を構成する要素として認定されることになりました。これに伴って、これらの演奏者も、当保存会の会員として認められることになり、竹本・長唄・鳴物の演奏者並びに狂言作者が会員に加わりました。

昭和57年度には、伝統歌舞伎保存会の自主公演である「葉月会」の第1回が開催され、平成10年度の第17回まで続きました。

平成11年度には、中村雀右衛門が会長、中村芝翫が副会長に就任、役員も大幅に交替しました。中村歌右衛門、市村羽左衛門、中村又五郎は役員を退き、顧問としてバックアップすることになり、同時に、外部から有識者5氏を顧問に迎え、諸事の助言を受けることになりました。

平成11年度は、いわば、伝統歌舞伎保存会のリニューアルスタートの年となり、日常的な研修や、「葉月会」に代わる「研修発表会」がスタートしました。

平成12年度には、歌舞伎普及のための「歌舞伎ワークショップ」が初めて開催されました。このワークショップを拡大する形で、平成15年度からは「小学生のための歌舞伎体験教室」を毎年開催しています。

平成17年11月25日、パリのユネスコ本部において、「歌舞伎(伝統的な演技演出様式によって上演される歌舞伎)」が「世界無形文化遺産」に選ばれ、平成18年8月22日に歌舞伎座で宣言書の伝達式が執り行われました。

平成20年5月、文化庁からの委託調査の報告書として『戦後歌舞伎の俳優たち』を刊行しました。主役クラスからわき役まで、戦後歌舞伎を担った俳優185名のプロフィールや素顔写真・舞台写真などを掲載しています。

平成20年11月4日、トルコのイスタンブールで開催されたユネスコの無形文化遺産条約第三回政府委員会において、「歌舞伎(伝統的な演技演出様式によって上演される歌舞伎)」が、「能楽」「人形浄瑠璃文楽」とともに「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されることが決定。平成22年6月10日に文化庁で認定書の伝達式が執り行われました。

平成21年度には、中村芝翫が会長、坂田藤十郎が副会長に就任、中村雀右衛門は顧問としてバックアップすることになりました。

平成21年7月には、社団法人日本俳優協会と共同で、歌舞伎公式ホームページ「歌舞伎 on the web」を仮オープン。翌22年1月に正式オープンしました。

平成22年4月末に歌舞伎座が建て替えのため休場、歌舞伎座内にあったとんぼの稽古を行う「とんぼ道場」も閉鎖されたため、新橋演舞場のある東京都中央区の区長および教育委員会と協議して、平成23年度から京橋築地小学校の砂場を借りてとんぼの稽古ができるように計らいました。

平成22年6月、文化庁からの委託調査の報告書として『歌舞伎音楽演奏家名鑑―昭和二十年から現代まで―長唄・鳴物・竹本』を刊行しました。戦後歌舞伎を彩った演奏家から現役で活躍する演奏家まで、460名を網羅し掲載しました。

平成23年10月、中村芝翫会長の逝去に伴い、坂田藤十郎副会長が会長代行に就任。翌24年4月1日付で会長に就任しました。

平成24年1月、7年ぶりに「伝統歌舞伎保存会研修発表会(第8回)」を開催。その後同年3月に第9回、4月に第10回、12月に第11回も開催しました。

平成24年11月には、事業の一環として行った調査の報告書として『平成24年版 歌舞伎に携わる演奏家名鑑』を刊行しました。竹本・長唄・鳴物の歌舞伎専従職に加え、長唄・鳴物の外部共演者、興行ごとに契約する常磐津・清元・新内・三曲まで、現役の演奏家347名を網羅しています。

平成25年4月1日付で一般社団法人に移行しました。

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